透過表示媒体での虚像投影と投影位置調整

本技術の表示装置は、外界が透過して見える表示媒体に画像を投影し、外の景色と重ねた虚像を視認させます。車の運転などの場面で、前方の景色と案内情報を同時に見ることができます。元画像には投影位置と重畳距離という情報が含まれ、投影位置が所定画角の外へ出る場合には、重畳距離に応じて投影位置を変更します。重畳距離は画像の位置ずれ量と距離の対応を表し、画角内の虚像が適切な高さに表示されるよう制御されます。さらに、運転状況や見る位置の違いに応じて、表示の高さ・色・明るさ・形状を微調整します。複数の情報を重ねても見分けやすく、視認性を損なうことを抑制します。

本発明は、車載HUDの高度な表示制御を目的とする表示制御装置の構成を特徴とする。第1取得部は元画像と重畳距離を取得し、第2取得部は車両状態を取得する。制御部は、元画像が画角外へ投影される場合、重畳距離に比例する変更量だけ投影位置を上下に移動させて新たな画像を生成する。投影部は補正後の画像を表示媒体へ投影する。元画像には複数の部分画像が含まれる場合があり、それぞれの部分画像ごとに個別に調整可能。運転状況（直進・カーブ・右左折）および乖離距離の長短に応じて、回転角・複製数・形状・サイズ・色・輝度を組み合わせて変更できる。これにより、重畳距離に対応する乖離距離を表示情報として読み取りやすくし、情報損失を抑制するとともに安全性と利便性を向上させる。表示方法は、投影角度や高さ調整、複数画像の同時表示、表示色・輝度の調整といった複数の態様を組み合わせて実現される。技術実装は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせで柔軟に適用可能であり、実車だけでなくシミュレータ等の教育・評価環境にも適用できる。