放熱性と整備性を高めるシートベルトバックル内生体信号検知装置

技術の概要

本技術は、車両のシートベルトバックルにアンテナ部とモジュール部を組み込み、乗員へ非接触で生体信号を検知します。バックル内部の密閉度を抑え、放熱性と整備性を向上させる構造を特徴とします。ミリ波レーダーを用いる点が共通要素です。

ユースケース

  • 車内の運転者の覚醒度推定と警告・休憩促進
  • 眠気検知による自動車内安全機能の作動
  • 緊急時の通信・通報・自動停止支援
  • 車両ECUとの連携による安全運転支援の最適化
  • バックル構造の交換・保守性向上による保守コスト低減

本技術は、車両のシートベルトバックルにアンテナ部とモジュール部を設け、乗員へミリ波レーダー(高周波の電磁波を使う検知装置)を掃射して反射波から生体信号を検知します。バックルは狭い空間ですが、従来のように周囲を覆う構造だと放熱性が低下します。本開示では、アンテナをバックルの外側に設置した変形や、導電性膜を用いた薄型アンテナ等を採用し、熱を逃がしやすくします。検知対象は呼吸や心拍などの生体信号で、腰部付近を中心に掃射するようビームを制御します。検知結果は車両のECUへ出力され、運転者の覚醒度推定や体調異常の検知に活用されます。

本発明は、車内のバックル20に組み込まれたアンテナ部110とモジュール部120からなる生体信号検知装置を提供する。アンテナ部は送受信を一体化したブロードサイドアレイ形式を採用し、腰部付近をターゲットにして電磁波を掃射するようモジュール部120を制御する。従来はシートバック内部にレーダーモジュールを配置するため放熱・整備性が課題だったが、本発明ではバックルの外部設置や薄型導電膜アンテナ、ゲート状アレイなどの変形例により熱暴露を低減し、修理・交換の容易さを向上させている。変形例としてエンドファイアアレイ、ビームフォーミングによる指向制御、複数掃射方向の信号比較による生体信号の選択、導電膜メタサーフェスによる薄型化、バックル外側設置などが挙げられる。さらに、IG電源連携やシートベルト検知と連動した作動制御、車両ECU500とのデータ連携、変形例の多様化による設置性と信号安定性の両立を図っている。検知信号は位相変動や振幅パターンの統計処理で信頼度を判定し、最も信頼性の高い信号を生体信号として用いる。これにより、シート座位の姿勢変化やバックル位置の違いに起因する測定誤差を抑制できる。なお、適用時にはEMI/法規制への適合が前提となる。総括すると、本技術は熱・整備性の向上と高信頼な生体信号検知を両立する。

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